相続登記の義務化:いつまでに、何をすればいいか
2024年4月から、相続した不動産の名義変更(相続登記)は義務になりました。期限、過料、すぐに登記できないときの「相続人申告登記」をまとめます。
更新:2026年10月18日
相続登記とは
親が亡くなって家や土地を相続したとき、法務局の登記簿の持ち主の名前を、相続した人に書き換える手続きを「相続登記」といいます。以前は期限がなく、親や祖父母の名義のまま何十年も放っておかれた家が少なくありませんでした。持ち主がわからない土地が増えたため、法律が変わり、2024年4月1日から相続登記は義務になりました。
いつまでに
- 相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請します。
- 遺産分割の話し合いで取得した人が決まった場合は、分割が決まった日から3年以内に、その内容で登記します。
- 2024年4月より前に起きた相続も対象です。この場合の期限は、2027年3月31日まで(またはそれより後に相続を知った場合は知った日から3年)です。祖父母の名義のままの家も含まれます。
正当な理由がないのに期限までに登記をしないと、10万円以下の過料の対象になります。いきなり科されるのではなく、まず法務局から登記をするよう催告があり、それでもしない場合に裁判所へ通知される流れです。相続人が非常に多く戸籍集めに時間がかかる、遺言の有効性が争われている、重い病気など、正当な理由があると認められる場合もあります。
すぐに登記できないとき:相続人申告登記
相続人どうしの話し合いがまとまらない、戸籍がそろわないなどで、期限内に名義変更ができないこともあります。そのときは「相続人申告登記」という簡単な手続きがあります。
- 「自分が相続人のひとりです」と法務局に申し出るだけの手続きです。
- 相続人のひとりが単独で、自分の分だけ申し出ることができます。
- 申し出た人は、3年以内に登記する義務を果たしたことになります。
- 登録免許税はかかりません。
ただし、これは名義変更そのものではありません。家を売る・貸す、担保に入れるときには、あらためて正式な相続登記が必要です。話し合いがまとまったら、その日から3年以内に登記します。
費用の目安
- 登録免許税:固定資産税評価額の0.4%。評価額1,000万円なら4万円です。評価額が100万円以下の土地などには、2027年3月31日までの免税措置があります。
- 戸籍などの取得費:数千円〜1万円ほど。2024年3月からは、本籍地が遠くても最寄りの役所で親の戸籍をまとめて請求できる「広域交付」が使えます。
- 司法書士に頼む場合の報酬:一般的なケースで数万円〜十数万円。相続人が多い、何代分もの名義変更(数次相続)が必要などの場合は高くなります。
自分で申請することもできます。法務局の窓口で相談の予約ができ、申請書のひな形も公開されています。
売る・貸す・持ち続ける、どれでも必要
相続登記は「売るときにやればいい」と思われがちですが、今は売らなくても期限があります。持ち続ける場合も、空き家の管理や将来の売却をスムーズにするため、早めに済ませておくと安心です。
この記事は2026年10月時点の制度にもとづく一般的な説明で、金額は目安です。登記の具体的な進め方や、正当な理由にあたるかどうかは、司法書士または法務局にご相談ください。