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相続土地国庫帰属制度:国に土地を引き取ってもらう条件と費用

相続した土地を国に引き取ってもらえる制度です。建物は解体が必要で、審査手数料と負担金がかかります。使える土地の条件と流れをまとめます。

更新:2026年10月18日

どんな制度か

相続(または遺贈)で取得した土地を、一定の条件を満たせば、国に引き取ってもらえる制度です。2023年4月に始まりました。売れない、貸せない、管理も難しい土地を手放す方法のひとつです。相続放棄と違い、ほかの財産は相続したまま、その土地だけを手放せます。

法務省の統計では、2026年8月末までに申請は約6,000件、そのうち約3,100件が国に引き取られています。審査の途中で取り下げる人も多く、条件を満たすかどうかを最初に確かめることが大切です。

申請できる人

  • 相続または遺贈(相続人への遺贈)で土地を取得した人
  • 共有の土地は、共有者全員で申請します
  • 親が生きているうちは使えません(親が買った土地を、親自身が手放すことはできません)

引き取ってもらえない土地

申請の段階で受け付けられない(却下される)土地:

  • 建物がある土地(家は解体して更地にする必要があります)
  • 抵当権などの担保や、借地権などの権利がついている土地
  • 通路など、他人が使うことになっている土地
  • 土壌汚染がある土地
  • 境界がはっきりしない土地、所有権について争いがある土地

審査で認められない(不承認になる)ことがある土地:

  • 管理に大きな費用がかかる、がけがある土地
  • 管理のじゃまになる工作物、車、樹木などがある土地
  • 地下に取り除く必要のある物が埋まっている土地
  • 隣の人との争いを解決しないと管理できない土地

費用

  • 審査手数料:土地1筆あたり14,000円。却下・不承認になっても返ってきません。
  • 負担金:承認された後に納める、10年分の管理費に相当するお金です。宅地は原則20万円ですが、市街化区域や用途地域内の宅地は面積に応じて計算され、たとえば100㎡で約55万円、200㎡で約80万円が目安です。農地や森林も区分によって計算方法が変わります。
  • そのほか、建物の解体費、境界の確認のための測量費などが先にかかります。

つまり、お金を受け取る方法ではなく、お金を払って手放す方法です。持ち続けた場合の固定資産税や管理費と比べて考えます。

流れと期間

  1. 法務局に事前相談(予約制)
  2. 申請書と添付書類を提出し、審査手数料を納める
  3. 法務局が書類審査と現地調査を行う
  4. 承認されたら、通知から30日以内に負担金を納める
  5. 負担金を納めた時点で、土地は国のものになる

標準的な処理期間は8か月ほどとされています。解体や測量の準備を含めると、全体で1年前後を見込みます。

先に検討したいこと

国庫帰属は条件が厳しく費用もかかるため、まずは不動産会社の買取、隣の人への売却や無償譲渡、空き家バンクなども当たってみましょう。相続登記がまだでも申請はできますが、相続登記の義務は別にあります。

この記事は2026年10月時点の制度にもとづく一般的な説明で、負担金は目安です。実際に使えるかは、法務局の事前相談で確認できます。手続きの代行は、司法書士・弁護士・行政書士に相談できます。

この記事は一般的な説明です。個別の判断は税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご相談ください。