親が施設に入ったあと、実家を売るときの税金
親が施設に入って空いた実家を、親が生きているうちに売る場合は「居住用財産の3,000万円特別控除」が使えることがあります。期限は住まなくなってから3年目の年末です。
更新:2026年10月18日
親が売るなら「マイホームの特例」
親が施設に入居して実家が空いたとき、親が生きているうちに親の名義のまま売る場合、使える可能性があるのが「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」です。自分が住んでいた家を売った人のための特例で、売って出た利益から最大3,000万円を差し引けます。
相続した空き家の特例と違い、建てた年の条件はありません。新しい家でも古い家でも対象になり得ます。
いつまでに売ればいいか
施設に入って住まなくなった場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば対象になります。
たとえば2025年6月に施設に入居した場合、3年を経過する日(2028年6月)の属する年の年末、2028年12月31日が期限です。「住まなくなってから3年目の年末」と覚えておくとよいでしょう。
気をつけること
- その間に人に貸すと、使えなくなることがあります。 貸している間も「住まなくなった家」の扱いは続きますが、貸していた期間が長いなどの事情で否認されることがあるため、貸す前に確認が必要です。
- 住民票だけ残していても、実際に住んでいなければ「住んでいた家」にはなりません。
- 親子・夫婦など特別な関係の人に売る場合は使えません。
- 前の年や前々年にこの特例や買換えの特例を使っていると、使えないことがあります。
- 売った年の翌年に、確定申告が必要です。
所有期間が10年を超えるとき
家と土地の所有期間が売った年の1月1日時点で10年を超えていると、3,000万円を差し引いた後の利益に、軽い税率(6,000万円以下の部分は所得税・住民税あわせて約14%)が使える特例もあります。3,000万円の特別控除と一緒に使えます。
親の判断能力が大事
この特例は「親が売る」ことが前提です。売買契約を結ぶとき、親に十分な判断能力が必要です。認知症が進んでからでは契約ができず、成年後見の手続きが必要になり、そのあいだに期限が過ぎてしまうこともあります。施設への入居が決まったら、早めに家族で方針を話しておくことをおすすめします。
親が亡くなった後に売る場合
親が亡くなってから相続人が売る場合は、この特例ではなく「相続した空き家の3,000万円特別控除」を検討します。こちらは1981年5月31日以前に建てた家に限られるなど、条件が違います。
この記事は2026年10月時点の制度にもとづく一般的な説明です。実際に使えるかは、個別の事情で変わります。売る前に税理士または税務署にご相談ください。